葉山加地邸HAYAMA KACHI TEI

"CREATIVE PRESERVATION" 創造的保存

■約100年前の有形文化財を使いながら残す、新たな改修手法”CREATIVE PRESERVATION”

葉山加地邸はフランク・ロイド・ライトの高弟である遠藤新が設計した、現存する数少ないプレーリースタイル建築。ライトの影響と、遠藤が掲げた建築哲学「全一」が随所に見られ、登録有形文化財に指定された。老朽化が進行しており、我々はこの建築の再生を依頼された。

従来の歴史遺産改修は修復・復元に徹することが多く、新たな現代的価値が創出されることが少ない。そこで、文化財ゆえの制限のなかで3つのレベルに分けて改修を実施する新たな歴史遺産建築の再生手法”CREATIVE PRESERVATION”[創造的保存]を開発。

日米の建築文化を融合させプレーリースタイルを再定義することにより、本歴史遺産建築を発展的に再生し、次世代に継承することを試みた。

■プレーリーのデザインを新たなデザインで継承(保存レベル2)

元々室内として使われていた空間をオープンテラスとした。ライトが暖炉を家族のコミュニケーションの
核として位置付けていたことを受け継ぎ、中心には暖炉を設置。プレーリースタイルの柱の石積みの意匠
を応用して木製ブロックを積み重ね、ベンチを設計した。また、凹凸をつくるレイアウトにより、座席同士に
様々な距離感をつくりコミュニケーションが生まれやすい状態をつくった。

■プレーリーの幾何学を踏襲した家具デザイン(保存レベル2)

娯楽室だった空間はカウンター・家具のデザインにより多目的なプレイルームへと再生した。既存
建築で反復して用いられている三角形・六角形の幾何学を継承しながら、フレキシブルな用途に対
応する、現代性のある意匠とした。

■バックスペースに新機能を挿入して付加価値をつくる(保存レベル3)

使用人室だった地下は意匠的な特徴がなく、文化財としての改修制限が緩い。
そこで、大きな水盤を持った自然光あふれる浴室というプログラムを追加することにより、宿泊施設として、い
ままでになかった付加価値をつくりだした。米国にあるプレーリースタイルの建築保存スタイルとは異なり、
日本の浴室文化も反映した、独自の空間体験も生み出すことも可能となった。
いままであった床を抜き、天井を抜き吹き抜けとすることで約100年前からの梁が露出する。新旧の建築文化
を同時に感じられる空間としている。

 

■ライトの事例に倣った外構デザイン

ライトのランドスケープデザインの原則に従い、外構・植栽・計画をデザイン監修。

■ブランディング戦略

CIによるブランディングディレクションも行い、ヴィジュアルコミュニケーションを含め空間体験をつくりこんでいく。

REDIFINING PRARIE STYLE

Kachi-tei house is a Prairie Style residence by Arata Endo (disciple of FLW) and built in 1928 near the suburb area of Tokyo. We take on the opportunity for the renovation of Kachi-tei house considering its aging condition. Due to its tangible cultural property status, renovation area is limited. Outdoor terrace and Maiden room are the areas which can be redesign more thoroughly. As the bath culture is very particular in traditional Japanese daily routine as it is very much alive in the modern day, we decided to transform this back space into an atrium like bath area. For the flying porch, we decided to open it up to become an outdoor terrace yet still having the connection with the indoor living room. As for the furniture design, we study for the ideology and geometry behind Prairie style, and redesign sets of furniture which can fit in this historical architecture .Furthermore, we supervised the reconstruction of the landscape surrounding Kachi-tei house.

Photo: Takumi Ota

プロジェクト種別

改築

プロジェクト名

葉山加地邸

役割

クリエイティブディレクション、インテリアデザイン、家具デザイン

所在地

神奈川県

用途

住居

施主

株式会社ヨネヤマ

施工者

株式会社小川建設

協働

Time & Style(家具製作)
戸井田設計(設備改修)
内山緑地建設(外構)
杉尾篤照明設計事務所、大光電機(照明設計)
ONO BRAND DESIGN(サイン)

規模

敷地面積 1129.52m²
建築面積 219.85m²
延床面積 364.74m²

階数

地上3階地下1階

進行状況

竣工 2020年 5月/

構造

地上木造 + 地下RC

プロジェクトチーム

Shuhei Kamiya, Machioy Fujii, Ryohei Harada, Paiva Euridice

Project Category

Renovation

PROJECT

HAYAMA KACHITEI

ROLE IN PROJECT

Creative Direction, Interior Design, Furniture Design

LOCATION

Kanagawa, Japan

PRINCIPAL USE

Residential Hotel

CLIENT

Yoneyama Co., Ltd

CONSTRUCTOR

Ogawa Kensetsu Corporation

COLLABORATOR

Time & Style (Furniture)
Toida Design (Equipment Refurbishment)
Uchiyama Landscape Construction (Landscape)
Sugio Lighting Office, DAIKO electric (Lighting)
ONO BRAND DESIGN (Signage Design)

SIZE

Site Area 1129.52m²
Building Area 219.85m²
Total Floor Area 364.74m²

STORY

3+basement

STATUS

Complete 2020 May / Original 1928

STRUCTURE

Wooden structure above ground level, reinforce concrete structure for basement

PROJECT TEAM

Shuhei Kamiya, Machioy Fujii, Ryohei Harada, Paiva Euridice